JBC2023プレイバック「生産者インタビュー」
11月3日(祝金)、門別競馬場では第4回JBC2歳優駿(JpnⅢ)が開催されました。昨年に引き続き、当日の各競走を優勝した生産者にスポットあてた企画として、「生産者インタビュー」を掲載します。
各競走の優勝馬についての牧場時代のエピソードや生産馬にかける思いなどが伝わる内容となっておりますので、ぜひチェックしてみてください。
第11競走 第4回JBC2歳優駿 優勝馬 フォーエバーヤング号
生産者 ノーザンファーム
各競走の優勝コメント
第1競走 今年のJBCは大井と門別で特別
優勝馬 ハチマンタイ号
生産者 マルシチ牧場 鳥谷部 辰次郎さん
私の牧場は青森県にありまして、家族で繁殖牝馬6頭を扱っています。青森県も今年の夏は暑くて、馬の体調管理に苦労しました。毎年春、北海道まで種付けに行く時はフェリーで片道8時間以上かけて向かいます。ハチマンタイもそうした経緯で種付けして、誕生した馬です。牧場にいた頃は元気に育ちましたね。生産馬がホッカイドウ競馬に出走する時は、いつもテレビで応援しています。今回のレースで初勝利できて嬉しいですし、JBCの生産牧場賞もあると聞き、励みになります。
第2競走 とねっこ広場特別
優勝馬 パイロデキセキ号
生産者 坂戸節子牧場 坂戸 節子さん
優勝できて嬉しいです。レースの日は仕事のため、競馬中継で見ていました。今回は1番人気でもありましたし、期待は大きかったです。人気に応えてよく走ってくれたと思います。2歳のうちに勝つことができましたし、今後も活躍してくれたらと思います。
牧場にいた頃は特に変わりなく、順調に育ちました。母馬のマイハーベストも扱いやすい馬です。JBCの生産牧場賞のことは今回初めて知りました。今後も是非継続して欲しいと思います。
第3競走 ポラリススタンド特別
優勝馬 リアンソリッド号
生産者 西村牧場 西村 和夫さん
この馬にとって門別最後の2歳未勝利戦だったので、勝ち上がれて嬉しいです。レースは現地で応援していました。JBCデーらしく午前中から来場者が多く、大勢の競馬ファンで盛り上がる中で勝てて、口取りもでき、励みになりました。リアンソリッドは中央で5勝したクリノヤマトノオーの半妹で、将来繁殖牝馬としての期待も持ちながら、自己所有馬として走らせています。これまでのレースでは若さがありましたが、内容が良くなってきましたね。このあとは放牧する予定です。
JBCの生産牧場賞の取り組みは、生産者にとって大きな励みです。実際、昔のJBC重賞競走では優勝牧場に表彰台がないこともありましたから、変わってきましたね。牧場にとってのやりがいにつながっています。
第4競走 ホクトくん・ナナセちゃん特別
優勝馬 ヒロチャン号
生産者 市正牧場 市川 正人さん
優勝できて本当に嬉しいです。安定した成績で走っていましたし、今回も掲示板に載ってくれればと思っていました。牧場にいた頃のヒロチャンは大人しい馬で、初子の分小さかったです。
母馬のハヤブサピクシーも穏やかな気性で、お産は軽く、扱いやすい馬でしたね。マイルや中距離の重賞で活躍したスーパーホーネットと同じ母系です。この馬は中央でデビューしたあと、最後はホッカイドウ競馬で走っていて、引退して繁殖に入るときは、門別競馬場まで迎えに行ったのを覚えています。門別と縁がありますね。
JBCの生産牧場賞については知らなくて、嬉しく思っています。ヒロチャンも上のクラスでも頑張って欲しいです。
第5競走 グランシャリオ神社特別
優勝馬 デライトアルバム号
生産者 田中スタッド 田中 駿さん
優勝できてほっとしています。中央時代は勝てず、出資会員の方に申し訳なかったのですが、ホッカイドウ競馬に移籍して、この馬にとって初めての勝利となりました。当日は私の父(デライトアルバムの馬主)が応援に行きまして、口取りに入ることができました。重賞5勝のダイアトニックと同じ母系であり、ブラックタイプが濃いので、将来は繁殖牝馬としての期待も高いです。
昨年も生産馬がJBCの日に門別競馬場で勝つことができまして、この生産牧場賞は2年連続です。偶然ですが、JBCの日と相性が良いのかもしれません。この取り組みを知らないという方もいらっしゃるかもしれませんが、生産牧場にとって喜ばしいことですし、引き続き取り組んで欲しいと思います。
第6競走 門別競馬場フォトコンテスト特別
優勝馬 アルカイド号
生産者 須崎牧場 須崎 孝治さん
優勝できて嬉しいです。レースはインターネット中継で見ていました。だいぶ走る方に気持ちが向いてきて、成長を感じます。半兄のアルクトスに続いて、今後の活躍にも期待しています。母馬のホシニイノリヲは子をとることに苦労していましたが、今年は父サングレーザーの牡馬が生まれて、セレクトセールで取り引きできました。こちらも楽しみにしています。
JBCの生産牧場賞については知らなくて、牧場で働く人たちにとっては励みになりますね。昔は地方競馬で生産牧場賞が出るケースは少なかったと思いますが、今は2歳新馬戦も出ますし、ありがたいです。今年は地方の新馬戦で3、4つ勝つことができました。
第7競走 全道15か所!Aiba特別
優勝馬 ケイアイインダラ号
生産者 中田牧場 中田 亨さん
レースはインターネット中継で見ていました。馬自身が大人っぽくなってきましたね。コーナーでマクる競馬で、よく走ってくれました。レースになると気難しい部分を出していましたが、競馬を覚えてきたようです。まだ3歳ですし、伸びしろに期待しています。牧場にいた頃は素直でかわいい子でしたね。母馬に似て、従順でした。
JBCの生産牧場賞はとても嬉しいです。たまたまJBCの日に出走となって、勝つことができ、思いがけない賞をいただけました。仕事にも張り合いがでますね。
第8競走 本年開設!「なまちゃき」特別
優勝馬 インテンスシチー号
生産者 村田牧場 村田 繁實さん
レースは牧場で応援していました。文句ない勝ちっぷりで嬉しかったです。この馬にとって待望の初勝利となりました。中央時代も上位に来ていましたから、ホッカイドウ競馬移籍後も好勝負できると思っていましたが、今はどこの地方競馬場もレベルが上がり、勝つことは大変ですからね。母馬のハーランズワンダーも門別で勝ったことがある馬です。
JBCの生産牧場賞は牧場にとって励みになりますし、ありがたいです。牧場のスタッフと食事に行けますね。今回はテレビで見ていましたが、産地競馬のホッカイドウ競馬は応援にも行きやすいですし、また生産馬の走りに期待しています。
第9競走 開設11周年屋内調教用坂路特別
優勝馬 キタノファルコン号
生産者 浜口牧場 浜口 英也さん
C1クラスに上がって2走続けて3着だったので、勝ち切るのはそう簡単にはいかないかなと思っていましたが、今回はよく伸びてくれましたね。期待以上の走りでした。競馬場に行くことができたので、勝つところを見られて嬉しかったです。競馬場周辺が渋滞していたので、間に合って良かったです。
この馬の母の父はナリタブライアンで、孫世代は少ないですから、ファンの人にも注目されているみたいです。体は父タリスマニック譲りで、父同様お腹の下に白い模様があります。
JBCの生産牧場賞については知らなくて、知人が教えてくれました。いつもある賞金ではないので、縁があり、いただくことができて嬉しいです。売上を生かして、今後も継続して欲しい取り組みです。
第10競走 JBCデーはSPAT4で!特別
優勝馬 ラビアータ号
生産者 新冠橋本牧場 橋本 英之さん
レースは現地で見ていて、家族で口取りに入ることができました。5連勝となって嬉しいです。牧場にいた頃は手のかかからない馬で、順調に育ちました。500kg近い馬になりましたが、サイズは普通ぐらいでしたね。来年4歳となりますが、今後もケガなく走ってきて欲しいと思います。2歳時はエーデルワイス賞に出走した馬ですし、また重賞に挑戦できると良いですね。
生産牧場賞の取り組みは嬉しいことです。門別競馬場は馬と人との距離が近く、遊具施設もありますし、家族でも楽しみやすいですね。
第12競走 来年のJBCは佐賀と門別で特別
優勝馬 ラッキーホープ号
生産者 宮内牧場 宮内 慶さん
優勝できて嬉しいです。レースは競馬中継を見て応援していました。5連勝した後、前走こそ敗れてしまいましたが、すぐに巻き返してくれました。牧場時代は手のかからない馬で、まわりの馬と仲良く過ごしていました。
母馬のシニスタークイーンはシニスターミニスターの肌馬です。繁殖入りした頃と比べると、シニスターミニスターの血統評価はかなり上がりましたし、SNSを見ていたら熱心に産駒を応援している方もいますね。当歳は父ドレフォンの牡馬で、浦河町の当歳馬品評会にもエントリーしました。こちらも期待を寄せています。
地方競馬では生産牧場賞がないことが多いので、このJBCの賞金の取り組みは良いですね。頑張ろうという気持ちになります。門別競馬場は牧場関係者が沢山応援に行っていますから、それは他の競馬場にはない特徴だと思います。ファンの皆さんもその独特の空気を味わって、競馬を楽しんで欲しいです。
取材協力:フリーライター 中地 広大 氏