11月3日（水）、門別競馬場では第2回JBC2歳優駿（JpnⅢ）が開催されました。今回は、当日の生産者にスポットをあてた企画として、｢生産者インタビュー｣を掲載します。
　各競走の優勝馬生産者に牧場にいたときのエピソードなど伺いましたので、ぜひチェックしてみてください。

第5競走　第2回JBC2歳優駿　優勝馬　アイスジャイアント号　
生産者　ノーザンファーム　事務局長　薦田英樹氏

　
各競走の優勝コメント
第1競走　日本軽種馬協会静内種馬場特別　
優勝馬　リリーエクセロン号
生産者　風ノ丘ファーム　代表　藤本厚雄氏
当日は門別競馬場に行くつもりだったのですが、予定が入ってしまい、牧場でテレビ観戦していました。勝利まであと少しの競馬が続いていたので、今回は勝てて嬉しいです。厩舎の皆さんがよく仕上げてくれたのだと思います。成長途上ですし、トモがしっかりしてくれば楽しみですね。牧場にいた頃は扱いやすい馬でした。
母タカラメロスも生産馬で、繁殖牝馬として健在です。この馬が短距離型なので、距離をこなせる産駒を考えて交配しています。今年、母馬にはスマートファルコンを交配しました。リリーエクセロンはバトルプラン産駒ですし、今回は1200m戦でしたが、先々は中距離でも上位争いできると良いですね。

第2競走　社台スタリオンステーション特別
優勝馬　テナチュール　号
生産者　日進牧場　代表　谷川彰久氏
自宅で観戦していました。最後の開催も出走したいと調教師から打診があり、出走することになりました。近走は2着、2着と勝ち切れないレースが続いていたので、最後にきっちり決めてくれて嬉しいです。
牧場では当歳～1歳秋まで順調に過ごしました。小柄なタイプで、バランスの良い馬でした。今後の成長に期待しています。半妹の1歳（父シニスターミニスター）は馬格のあるタイプで、こちらも楽しみにしています。

第3競走　優駿スタリオンステーション特別
優勝馬　ベルムフェリクス　号
生産者　明治牧場　場長　柳沢末治氏
牧場で応援していました。服部茂史騎手がうまく乗ってくれましたし、田中淳司厩舎の仕上げのおかげです。デビュー勝ちの実績がある馬ですが、気性の難しさがあり、厩舎の皆さんに感謝しています。
牧場の頃は決して目立つタイプではありませんでしたが、ケガもなく、丈夫に育ちました。姿形は母レッドフォーチュン譲りです。半弟の当歳（父ダンカーク）は骨量があり、この馬も大きくなりそうです。今年はダンカーク産駒がJBC2歳優駿を勝ちましたし、期待が膨らみます。

第4競走　ブリーダーズSS特別　
優勝馬　マイトレジャーフジ　号
生産者　服部牧場　代表　服部健太郎氏
脚元の関係でホッカイドウ競馬に移籍した馬なのですが、脚元の不安がなくなり、安定した成績を残していますね。時計も詰めていますし、内容も良くなっています。母ホクラニミサは古馬になってから成長した馬だったので、母子で成長曲線が似ているのかもしれません。牧場時代は若干小ぶりなタイプで、背が伸びることを期待しながら育てていました。
JBC開催日の生産者賞は牧場にとって励みになりますし、非常に良い取り組みだと思います。

第6競走　レックススタッド特別
優勝馬　ビービーキング　号
生産者　坂東牧場　ゼネラルマネージャー　荒木一仁氏
重賞馬デルマルーヴルの半弟で、血統的に期待している馬です。大型馬で脚元に不安もありましたが、今回も勝つことができて嬉しいです。来季もホッカイドウ競馬で走ることになると思います。距離を延ばすことも考えています。この馬の半弟1歳（父パイロ）も素質の高い馬で、将来を楽しみしています。
　コロナ禍のためなかなか大勢で現地観戦できない状況ですが、来年は牧場のみんなで応援できれば嬉しいです。

第7競走　アロースタッド特別
優勝馬　バイタライズ　号
生産者　隆栄牧場　代表　飛渡隆氏
レースは牧場でテレビ観戦していました。今回も勝つことができて、これで4連勝となりました。母パイクーニャンは本当に子出しの良い馬で、改めて走る血統だなぁと思いました。牧場時代のバイタライズは1歳秋まで順調に成長しました。血統面も含めて、期待を十分持っていました。半妹の1歳（父ヘニーヒューズ）も素質の高い馬で、将来を楽しみにしています。

第8競走　ＳＰＡＴ４のお得なポイント賞
優勝馬　ブレイブジャンヌ　号
生産者　谷川牧場　代表　谷川貴英氏
優勝できて嬉しいです。ホッカイドウ競馬の2歳馬は総じてレベルが高いので、その中で勝つことができて、今後に期待が膨らみますね。牧場にいた頃は幅のあるガッチリした馬で、父母の特徴をよく受け継いでいました。半兄のリュウノシンゲンは岩手で活躍していますし、ブレイブジャンヌも続いて欲しいです。
JBC開催日の生産者賞は素晴らしい取り組みだと思います。今後も継続して欲しいですし、ホッカイドウ競馬だけでなく、対象をJBC開催競馬場の全レースに拡大しても良いのではと思います。

第9競走　ダーレー・ジャパン特別　
優勝馬　スエヒロヴァン　号
生産者　小泉牧場　小泉賢悟氏
3走前、ホッカイドウ競馬移籍初戦で7着に敗れたので、通用するかどうかと思っていましたが、そこから勝利を重ね、今回で3連勝となりました。これだけ連勝を伸ばすのは難しいことなので、とても嬉しく思っています。スエヒロジョウオーから続く牧場が大切にしている血統なので、これからの活躍にも期待しています。

第10競走　イーストスタッド特別
優勝馬　リュミエール号
生産者　ユートピア牧場　場長　山口正氏
当日は競馬場に行っておりまして、口取りに入ることができました。コロナ禍もあって競馬場に行く機会がなく、私自身ホッカイドウ競馬で口取りをしたのは、今年最初で最後です。ちょうど落合玄太騎手の300勝とも重なり、関係する皆さんと一緒に喜び合うことができました。リュミエールは牧場にいた頃から、馬は良かったですよ。気性がポイントの馬で、去勢してからまた成長してきましたね。これからも無事に走ってきて欲しいと思います。JBCの生産者賞はJBCならではの取り組みですし、励みになります。

第11競走　ビッグレッドファーム特別　
優勝馬　コパノフレディー号
生産者　伊藤敏明牧場　伊藤敏明氏
仕事を終えてから門別競馬場に向かいまして、現地で観戦できました。久々に口取りができ、嬉しかったです。門別の水が合っているのでしょうか、強い勝ち方でしたね。牧場時代は大人しくて、人なつこい馬でした。生後3カ月ぐらいで母バックアタックが腸ねん転になってしまい、急遽離乳して、ミルクで育てた馬なんです。当歳夏～秋は1頭で過ごしました。当時は馬のコンディションも少し落ちてしまい、毎日苦労しましたが、今では500kg近い馬体になり、大きく成長してくれましたね。

第12競走　オルフェーヴル・プレミアム
優勝馬　ウタマロ　号
生産者　幌村牧場　代表　幌村祐司氏
当日は門別競馬場で現地観戦していました。パドックでも良い状態に映りましたし、レースでも安心して見ていられました。堂山芳則厩舎の皆さんが、よく仕上げてくれたのだと思います。3歳時にはクラウンカップを勝っていますし、また重賞のチャンスがあると良いですね。今後も無事に走ってきて欲しいです。牧場にいた頃はバランスの良い、形の良い馬でした。1歳秋まで順調に育ちました。父アイルハヴアナザーの特徴が出ていましたね。半弟1歳（父メイショウサムソン）は体のある馬で、ウタマロとは違うタイプになります。JBCでのホッカイドウ競馬の生産者賞は、生産者にとって本当に励みになります。これからも続けて欲しいです。


取材協力：フリーライター　中地広大氏